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暗く湿度の高い床下は、さまざまな害虫が繁殖しやすい環境です。家の中で害虫を見かけて、床下に潜んでいるのではないかと心配になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、床下に潜んでいる可能性のある害虫の種類とその対処法について、自分で駆除する際の注意点や、専門業者に依頼する場合の費用相場とあわせて解説します。
床下に潜んでいる可能性のある害虫と放置しておくリスク
床下に潜んでいる可能性のある害虫には、さまざまな種類が挙げられます。
まずは代表的な5種類の害虫と、それぞれの駆除方法を紹介します。
シロアリ
まず挙げられるのが、シロアリです。腐食した木材を好んでエサとするため、湿度の高い床下で建物の土台や柱などを食害します。
放置しておくと大量に繁殖し、構造材に大きなダメージを与え、家の耐久性を著しく損なう恐れがあります。シロアリが発生してしまった場合には、薬剤を散布する方法やベイト剤という薬剤を埋設する方法によって駆除します。
市販のスプレーには忌避効果のある成分が含まれているため、かえってシロアリをあちこちに逃げ込ませてしまう可能性があります。そのため、シロアリ駆除は専門業者に任せる方が安心です。
ゴキブリ
ゴキブリは病原菌の媒介やアレルギーの原因になり、見た目も不快な害虫です。
暗くジメジメした暖かい場所を好み、食べかすや壁紙、腐食した木材、仲間の糞などあらゆるものを食べます。
1回で22個~28個の産卵を、約1年半の寿命の間に15回~20回近く繰り返すため、1匹のメスから400匹近く繁殖する力をもっています。
また、1秒間で体長の50倍もの距離を移動するほど逃げ足が速いため、駆除が難しく、放置しておくとあっという間に大量発生してしまう恐れがあります。
殺虫剤・毒エサ・捕獲罠・燻煙剤などを使用して自分で駆除や対策をおこなうことも可能ですが、根絶したい場合は専門業者に依頼する必要があります。
ムカデ
ムカデは肉食で、生きている虫や小動物を捕食する節足動物です。
ゴキブリやクモなど害虫を捕食してくれる一方で、攻撃性が強く、人間にも噛みつきます。毒性があり、噛まれると強い痛みを伴って腫れてしまいとても危険です。
暗く湿気の多い場所を好み、床下やレンガ・石・落ち葉などの下に生息していますが、エサを求めて家の中に入ってくることもあります。
寿命は6~10年と長く、住み着くと脱皮を繰り返して大きく成長し、健康被害をもたらす恐れがあるため、見つけたら殺虫剤・毒エサ・燻煙剤などで早めの駆除が必要です。
クモ
クモはムカデと同様、農作物害虫やハエ、ゴキブリなどを捕食する肉食の節足動物です。
ほとんどのクモは人間に対して攻撃することはありませんが、外来種であるセアカゴケグモは有毒で、噛まれると激しい痛みを感じます。
生息場所は暗く静かな場所を好み、草むらや雑木林、田んぼや材木置き場、床下や物置などで活動します。エサとなる害虫の巣があったり大量発生していたりする、床下のような場所にも住み着きます。
毒性のあるクモは駆除しなければ健康被害を及ぼす恐れもあるため、殺虫剤を使用して駆除します。
ダニ
ダニは、アレルギーを引き起こす原因となる節足動物です。非常に多くの種類がありますが、家の中で見かけるダニは10種類程度と言われています。
多くのダニは人を刺しませんが、人を刺すことがある以下の種類には注意が必要です。
ダニの種類 | 特徴・症状 |
---|---|
・ツメダニ ・イエダニ |
家の中に生息。刺されるとかゆみを感じ、赤く腫れることがある。 |
マダニ | 草むらや公園の樹木などに生息し。人や動物に数日間取りついて吸血する。 痛みを感じるだけでなく、病原菌を媒介する可能性もある。 |
家の中に発生したダニはスプレータイプの殺虫剤や燻煙剤、ダニ捕りシートなどのほか、布団乾燥機と掃除機などを使って駆除できます。
害虫が発生しやすい床下の環境
暗くジメジメした場所を好む害虫が多いため、日当たりや風通しが悪い床下は害虫が発生しやすい環境です。なるべく風通しを良くして通気性を高めるとよいでしょう。
ここからは、害虫が発生しやすい環境について詳しく解説します。
風通しが悪く湿度が高い
害虫の多くは、暗くてジメジメと湿度が高く、風通しの悪い環境を好んで生息します。
家の床下は暗く通気性が悪いことに加え、結露や配管からの水漏れなどが起こりやすいため、湿度も高くなりがちです。
風通しが悪く湿度が高いと木材腐朽菌やカビなども繁殖し 、家の土台や柱が腐食して家の耐久性や衛生上の問題を引き起こしかねません。
害虫にとっても生息しやすい環境であるため、巣を作り大量発生する恐れがあります。
そのため、床下換気扇や防湿材などを活用して、できるだけ床下の湿度を逃がす工夫をすることが大切です。
エサとなるものがある
腐った木材や小さな虫など、害虫が好むエサがあると、エサを求めてやってきた害虫が住み着いてしまいます。特に腐食した木材を好んでエサとするシロアリは、湿った床下で木材を食害し繁殖します。
そのシロアリをエサとして捕食する害虫が集まって住み着くと、床下にさまざまな害虫が発生する恐れがあります。
雨漏りや水漏れ箇所がある
湿った場所を好む害虫が多いため、雨漏りや水漏れ箇所があると害虫にとって住みやすい環境となってしまいます。
そのため、雨漏りや配管からの水漏れなどがあれば早急に対処しましょう。
なお、床下の水漏れは自分では点検が難しい場合もあります。その場合は無理せず、専門業者に依頼するのも手段のひとつです。
自分で床下の害虫を駆除する際の注意点
床下の害虫駆除を自分でおこなう場合は、いくつかの注意点があります。
注意点を守らないと危険性が高まるほか、余計に駆除が大変になる事態を招きかねません。
必要な服装と装備を用意してからおこなう
床下の害虫駆除をおこなう際に必要な服装と装備は次の通りです。
- 作業服(長袖・長ズボン)
- ゴーグル
- マスク
- 手袋
- 長靴
- ヘッドライト・懐中電灯
安全のため、長袖・長ズボンの作業着に長靴・手袋を着用しましょう。
カビや細菌・薬剤などを吸い込んだり目に入れたりしないよう、ゴーグルやマスクも忘れずに装着してください。
床下は暗くて狭いため視界が悪くなっていることが多いです。ヘッドライトや懐中電灯も用意しましょう。
むやみに殺虫剤を使用しない
床下で害虫を発見しても、手あたり次第に殺虫剤やスプレーを使用しないようにしましょう。狭くて暗い床下では、誤って薬剤を吸い込んだりケガをするなど、思わぬ事故が発生する危険性があります。
また、やみくもにスプレーを使うと、薬剤に含まれる成分によって害虫が床下のあちこちへ逃げ込んで隠れてしまい、余計に駆除が大変になる可能性があるため注意してください。
完全に駆除をするためには専門的な知見が必要になる
害虫駆除は、正しい知識をもち、必要十分な装備を準備しておこなう必要があります。
それぞれの害虫ごとの生態や特徴を理解して対策を考えなければ、適切で効果的な駆除はできません。
また、市販されている薬剤では十分な効果が得られなかったり、装備や道具が足りない場合も考えられます。自分で駆除するのが難しい場合は無理せず専門業者へ依頼するとよいでしょう。
床下の害虫駆除は専門業者に任せるのがおすすめ
床下は暗くて狭く、さまざまな危険があります。無理をするより経験豊富な専門業者に任せるのが安心です。
ここからは専門業者に任せるメリットと費用相場を解説します。
専門的な知識に基づいた適切な駆除ができる
床下の害虫を熟知した専門業者なら、豊富な経験とノウハウを活かした徹底的な駆除が期待できます。
害虫の発生状況や家の構造などを考慮した、適切な対策をおこなってもらえるでしょう。
自分で対処して薬剤を吸い込んだり害虫をあちこちへ逃げ込ませたりするリスクもなく、手間と労力、時間が省けるうえ、安全に駆除してもらえる利点があります。
専門業者に依頼した場合にかかる費用の相場
害虫駆除の費用相場は、1㎡あたり約1,300円~3,000円程度となっています。20坪~30坪ほどの広さがある一般的な戸建て住宅では、20万円~30万円程度が目安となります。
ただし、実際にかかる費用は施工内容や害虫の発生状況、住宅の被害の度合いなどによって異なります。あらかじめ専門業者へ相談するようにしましょう。
業者の選び方や費用の相場については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
まとめ
床下は普段開けることがありませんが、暗くて湿気がこもりやすい場所で、害虫が好む環境です。
知らない間に害虫が住み着き、家の構造材が食い荒らされていたり大量発生していたりするケースもあるため、床下は定期的に点検をおこないましょう。また、害虫が発生している場合、早めに駆除する必要があります。
同時に害虫を発生させないようにする予防策も必要です。
自分で駆除や予防をすることも可能ですが、適切な方法で駆除をおこない予防策を講じるためにはプロの知識と経験が必要な場合もあります。
自分では難しいと判断した場合は、無理せず専門業者に任せるとよいでしょう。
この記事の監修者
犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー