シロアリは暗く湿った場所を好むため、人目に姿を見せることは滅多にありません。そのため、気づかぬうちに建物の柱や床が食べられ被害が拡大している場合があります。

シロアリの被害を防ぐためにも、こまめに建物の状態に気を配り、違和感がないか確認することが大切です。

この記事では、シロアリ被害にはどのような症状が見られるのか、被害に遭いやすい家の特徴を解説します。また、専門業者にシロアリ駆除を依頼した際の費用相場と業者を選ぶポイントも紹介します。

「もしかしたらこれはシロアリの被害かも?」と気になっている人は確認してみてください。

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シロアリの被害の初期症状

シロアリが家の中で被害を及ぼすと次のような症状が現れます。

 シロアリの被害の初期症状
  • 床がきしむ・畳がフワフワする

  • 壁や柱を叩くと空洞音がする

  • ドアの建てつけが悪くなる

  • 風呂場の木材が変色する

  • 庭の垣根や杭がぐらぐらする

床がきしむ・畳がフワフワする

シロアリは湿度の高い場所を好むため、床下に生息していることが多くあります。

床下の木材を食べられると、木材が薄くなったり隙間ができたりします。その結果、床が軋み、歩くたびに「キイキイ」「ギシギシ」と音がするのです。

また、シロアリは木材だけでなく藁(わら)も食べます。畳には藁が使われており、藁が食べられると、歩いたときに「フワフワ」とした頼りない感触になります。

ただし、経年劣化でも似たような症状が出るため、実際には見分けがつきにくいのが現状です。

壁や柱を叩くと空洞音がする

基本的にシロアリは木材の内部を食べ進めていきます。内部が空洞化した木材は、叩くと「ポコポコ」と音がすることがあります。

内部が空洞化しているかどうかは、ほかの柱や壁を叩いて音を比較してみると判断しやすいでしょう。被害に遭っていない柱や壁の場合、叩くと重い音がします。

ドアの建て付けが悪くなる

シロアリがドア付近の柱や壁を食べ進めていくと枠組みがゆがみ、ドアやふすま、雨戸の建てつけが悪くなることがあります。

ただし、ドアの蝶番(ちょうつがい)のネジが緩んで建てつけが悪くなる場合もあるため、ネジを回し調整して直るか確認してください。

直らない場合は、シロアリの被害を受けている可能性があるので、業者に相談するなど対策をとるとよいでしょう。

風呂場の木材が変色する

風呂場の柱や床下、壁の中は湿度が高く、シロアリが好む環境の1つです。特にタイル張りの浴室は湿気が高まりやすく、シロアリにとって最適な環境になります。

シロアリが木材を食べ進めると、木材の内部に空洞ができ湿度を吸いやすくなり変色の原因となるのです。

風呂場の敷居や柱などの木材は徐々に変色していきます。変化に気づきにくいため、普段からこまめに確認するようにしましょう。

庭の杭や垣根がぐらつく

シロアリが及ぼす被害は建物の中だけとは限りません。庭の木材に影響が出ることもあります。

シロアリは湿った木材を好むため、雨風にさらされた木材の杭や塀も餌になります。杭や塀がぐらついている場合、シロアリに食べられている可能性があり、ぐらついた杭を引き抜くとシロアリが目撃されることもあるようです。

また、シロアリは木材以外にも枯葉やダンボールも餌にします。

そのため、枯れた植物やダンボールを庭に放置しておくと、そこに巣を作って土の中を通り、建物内に侵入してくる可能性があります。

シロアリの被害が進行するとどうなる?

シロアリを放置したままにすると、建物の食害の範囲が拡大していきます。

また、建物の重要な柱まで被害が及ぶと、耐震性が低下してしまいます。すると本来、耐えられる地震や台風であっても建物に重要な危険性を及ぼす可能性も出てくるのです。

シロアリの被害に遭いやすい家の特徴

シロアリは湿度が高い場所を好みます。

たとえば、床下が低い家や増改築して風通しの悪い家、池や沼地、川が近くや雨漏りをしている家はシロアリが住処にしやすく被害に遭いやすくなります。

また、木材やダンボールはシロアリの餌になるため、庭に放置したままにしておくと、そこに巣をつくられ、土の中を通って家に侵入してくることもあるのです。

庭の切株や枯れた植木、落ち葉、ダンボールなどシロアリの餌になるものは放置せず、処分するようにしましょう。

 シロアリの被害に遭いやすい家の特徴
  • 床下が低く風通しが悪い

  • 増改築で風通し悪くなっている

  • 近隣に池や沼地、川がある

  • 近隣に森や林がある

  • 山間部にある

  • 庭に木材やダンボールを放置している

  • 雨漏りしている

シロアリの初期症状を放置するリスク

シロアリの初期症状を見過ごすことは、家の耐震性を大きく損なう危険があります。

木材の被害が進むと、最悪の場合、建物の倒壊リスクが高まります。

また、湿気が蓄積することでカビが発生し、アレルギーや呼吸器疾患を引き起こす恐れもあります。

さらに、修理範囲が拡大し、基礎部分の修復には1,000万円以上の費用がかかることも。

こうしたリスクを避けるためには、早期の対応と定期的な点検が不可欠です。

専門業者に駆除を依頼した際の費用相場

シロアリ駆除を専門業者に依頼した際の費用は業者によって異なります。

一般財団法人経済調査会の統計によると1坪あたり10,725円(1平方メートルあたり3,250円)が目安になります。

実際の価格は、被害状況や建物の構造によっても変動するので一度、業者に見積を依頼してみるとよいでしょう。

シロアリ駆除のより詳しい費用相場はこちらの記事で解説しています。

シロアリ駆除の専門業者を選ぶポイント

シロアリ駆除の専門業者であっても会社によって、費用や施工内容、担当者の知識量などさまざまな違いがあります。ここでは専門業者を選ぶときのポイントについて解説します。

調査結果や施工内容を丁寧に説明してくれる

作業内容や使用する薬剤、駆除するシロアリの生態など、知識を持った業者であれば丁寧に説明してくれます。

しかし、シロアリ駆除の専門業者のなかには、知識が浅く適切な処理が判断できない担当者も存在します。

そのような担当者にあたらないためにも、点検にきてもらった際に家の状況や必要な対策を質問してみるとよいでしょう。

納得できる答えが返ってこない場合は、すぐに契約せずにほかの業者への依頼を検討してください。

見積書や保証内容が明確になっている

見積書は㎡単位や坪単位での算出が基本です。見積書に具体的な見積金額が提示されているか確認してください。

また、保証内容は業者によって異なります。

まずはアフターフォロー(点検)の有無を確認しましょう。点検がない場合はシロアリが再発した際、新たに費用がかかったり、発見が遅くなってしまう場合があります。

シロアリ対策は、駆除だけでなく再発させないことが大切なので、アフターフォロー(点検)の有無がある業者を選ぶことをおすすめします。

続けて確認したいのが、新たにシロアリの被害が発生した際に建物の修理費用の保証があるかどうかです。業者によっては、修理費用が保証に含まれない場合も多いので見落とさないようにしましょう。

また、修理費用の限度額も業者によって異なります。限度額が低いと追加で費用がかかってしまうのでいくらまで保証してくれるかしっかりと確認してください。

まとめ

シロアリは暗い場所を好み、基本的に人の目に触れる所には現れないため、気づいたときには、被害が深刻化している可能性があります。

そのため、日頃から建物の状態に気をかけておくことが大切です。

  シロアリの被害の初期症状
  • 床がきしむ・畳がフワフワする

  • 壁や柱を叩くと空洞音がする

  • ドアの建てつけが悪くなる

  • 風呂場の木材が変色する

  • 庭の垣根や杭がぐらぐらする

上記のような違和感に気づいたらそのままにせず、専門業者に相談しましょう。多くの業者は無料で点検をしてくれます。

この記事の監修者

犬飼 章博

  • 2015年 最年少で豊橋支店長就任
  • 2021年 本社支店長就任
  • 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事

住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。

疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。

資格
しろあり防除士
一級建物アドバイザー