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シロアリ(羽アリ)を見つけ、駆除しなければならないと思いながらも放置していると、見かけなくなったので安心している人もいるのではないでしょうか。
しかしシロアリを見かけなくなったのは、活動が鈍くなる時期を迎えただけに過ぎず、見えない場所で生息している可能性があります。
そのため、一度でもシロアリを見かけたら専門業者に点検を依頼し、必要に応じて駆除することが大切です。
この記事ではシロアリの生態や活動時期、見かけなくなっても安心してはいけない理由について解説します。
シロアリ(羽アリ)はいなくなっても安心してはいけない
シロアリは、基本的に一度巣を作った場所から自然にいなくなることはありません。多くの場合は羽アリの活動時期が過ぎ、目につく場所に現れなくなっただけなのです。
普段は目に見えなくても、家の中や周辺に作った巣の中に生息しています。シロアリは家の中の木材を食べて被害を及ぼします。
シロアリの生態と活動時期
シロアリには決まった活動時期がなく、基本的には1年中活動しています。ただし、巣の中で生活しているため、直接見かけることはありません。
一方、羽アリは特定の時期になると飛来します。
シロアリの生態
シロアリには職アリ・兵アリ・ニンフ・羽アリ・女王アリなどの階級があり、組織を作って活動しています。
組織の中の階級 | 役割 |
---|---|
職アリ | 巣作り餌の調達卵や幼虫の世話 |
兵アリ | 巣を外敵から守る |
ニンフ | 卵や幼虫の世話羽アリの前段階の階級(ニンフが脱皮して羽アリになる) |
羽アリ | 新たな巣を作って繁殖を広める |
女王アリ・王アリ | 巣の中で交尾・産卵 |
職アリ・兵アリ・ニンフ・女王アリ・王アリは、床下や壁の中などに作った巣の中で活動しているため、人の目に触れることはほとんどありません。目に見える場所に現れるのは羽アリです。
群飛行動の時期(春先から初夏にかけて)にニンフから羽アリになった一群が、、新しい場所を求め一斉に飛び立ちます。
またシロアリは冬眠しないため、1年中活動可能です。ただし、寒さに弱いため、気温が下がる冬は活動が鈍くなります。
活動時期
日本では、23種類程度のシロアリが生息していると言われています。このうち、国内の広い範囲で建物に被害を与える、ヤマトシロアリとイエシロアリの活動時期を見ていきましょう。
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | |
---|---|---|
羽アリの発生が多い時期 | 4月~5月頃 | 6月~7月頃 |
活動が活発になる温度 | 12度~30度くらい | 30度~35度くらい |
発生が多い地域 | 日本全国(北海道の一部を除く) | 千葉から西の海岸線沿い・西日本・小笠原諸島など |
ヤマトシロアリの羽アリは4月~5月に発生する
ヤマトシロアリの羽アリは4月下旬~5月の昼間に飛び立つことが多く、この時期に大量発生します。
ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全国に生息しており、活動に適した温度は12度~30度程度です。湿った木材や段ボールを好み、木材の中に巣を作ります。
高温多湿な環境を好むため、床下や水回りに巣を作ることが多いです。直射日光や乾燥を防ぐために「蟻道」と呼ばれるトンネルを作り、より湿った場所を探して移動することもあります。
イエシロアリの羽アリは6月~7月に発生する
イエシロアリは本州南岸以南の沿岸部や南西諸島、小笠原諸島など、温暖な地域に生息しており、羽アリは6月~7月の夕方から夜にかけて飛び立つことが多いです。
イエシロアリはヤマトシロアリに比べて寒さに弱く、30度~35度程度で活動が活発になります。ただし、冬場でも6度以上あれば活動自体は可能です。
ヤマトシロアリと違い、自分で水分を運ぶことができ、乾燥した木材を湿らせて食べます。
また、巣からの行動範囲が広いため、どこにでも巣を作る可能性があります。本巣と分巣を合わせた行動範囲は半径100メートルに及ぶことも珍しくありません。
こんな症状が見られたらシロアリが生息しているかも
すでに家の中がシロアリの被害を受けている場合、床がきしむ、ドアの建て付けが悪くなるなどの症状が現れます。
床がきしむ
シロアリが床下の木材を食べ進めると、床の土台の強度が下がって上手く支えられなくなるため、踏んだだけできしむようになります。
そのまま放置しておくと床がギシギシと鳴り始め、軽く踏んだだけでも沈み込むようになります。
ドア・襖・雨戸などの建て付けが悪くなる
シロアリによる被害が進行すると、床下地材の耐久性が下がります。その結果、家の水平性が損なわれ、ドアや襖、雨戸などの建て付けが悪くなることがあります。
家の木材を叩くと空洞音がする
シロアリは木材の内部を食い荒らすため、被害が進行した壁や柱の内部は空洞状態です。そのため、壁や柱を叩いたときにポコポコという空洞音がするようになります。
被害を受けていない場所とは明らかに音が異なるため、いろいろな場所を叩いて音を比較するようにしましょう。
まとめ
羽アリは活動時期を過ぎると目につく場所に現れなくなりますが、シロアリは冬眠しないため、基本的には1年中活動しています。
建物がシロアリの被害を受けると「床がきしむ」「柱を叩くと空洞音がする」などの症状が現れます。
シロアリによる被害が疑われる場合は、専門業者に相談してみてください。ほとんどの業者が無料で点検を実施しています。
駆除業者の選び方や費用について知りたい方はこちらの記事を御覧ください。
この記事の監修者
犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー