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羽アリには大きく分けてシロアリとクロアリの2種類が存在します。どちらも小さい虫のためぱっと見ただけでは判断がつきにくいかもしれません。
ただし、発生した羽アリがシロアリだった場合、建物の木材を食い荒らされる可能性があるため注意が必要です。
この記事では、羽アリが大量発生する原因や発生した際の対処法について解説します。家で羽アリが大量発生して困っている人は参考にしてください。
まずは羽アリがシロアリかクロアリかを見分けることが大切
シロアリは木材を主食としており、被害が進行すると建物の耐震性を損なう恐れがあります。そのため、羽アリが発生した場合はシロアリかクロアリかを見分けることが大切です。
羽アリはシロアリもクロアリも黒っぽい見た目をしています。見分ける際は、羽・触覚・胴体の形状を比較しましょう。
羽の形状 | 触覚の形状 | 胴体の形状 | |
---|---|---|---|
シロアリの羽アリ | 前後の羽の大きさが同じ | 短く数珠状 | 寸胴型 |
クロアリの羽アリ | 後羽より前羽の方が大きい | 長くくの字 | くびれがある |
また、シロアリの羽はクロアリの羽よりも構造が弱く取れやすいため、床や地面に羽を落とすことがあります。
シロアリの羽アリが大量発生する原因
シロアリは、1つの巣の中にコロニー(集団)を形成しています。コロニーの中では、4つの階級に別れており「王アリ・女王アリ」「副王アリ・副女王アリ」「兵アリ」「職アリ」それぞれの役割を持っているのが特徴です。
コロニーが完成したあとも女王アリは産卵を続けるため、巣の中が飽和状態になると「副王アリ・副女王アリ」の一部が羽アリになり、新しい場所を求め一斉に飛び立ちます。
もしも家の中に巣がある場合、その巣を起点に羽アリが外に出ていきますが、本体は巣の中に残り加害を続けます。
また、家の外に巣がある場合は、シロアリが土の中を通り床下から侵入してきます。
【種類別】シロアリの羽アリが大量発生する時期・地域
※参照元:日本しろあり協会
日本には20種類以上のシロアリが生息しており、建物に被害を与えるシロアリは、ヤマトシロアリ・イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの3種類です。
シロアリの種類によって発生する時期や時間、地域が次のように異なります。
発生時期 | 発生時間 | 発生地域 | |
---|---|---|---|
ヤマトシロアリ | 4月下旬~5月 | 昼間 | 北海道北部を除く日本全土 |
イエシロアリ | 5月~7月 | 夕方~夜 | ・千葉県西側の海岸線に沿った温暖な地域 ・南西諸島 ・小笠原諸島 |
アメリカカンザイシロアリ | 6月~9月 | 昼間 | 宮城県方沖縄まで24都道府県以上 |
ヤマトシロアリは、生息地域が広く、北海道北部を除き日本全土に生息しています。4~5月下旬の雨上がりのじめっとした日中に見かけることが多いです。
イエシロアリは、湿度が高く暖かい場所を好むため、千葉県西側の海岸線に沿った地域、南西諸島、小笠原諸島に多く生息しています。5月~7月の夕方から夜にかけて飛び立ちます。
アメリカカンザイシロアリはそこまで発生地域が多くありませんが、温暖化の影響や建物の断熱性の向上により、暖かい環境が増えているため、生息範囲が拡がっているのが現状です。おもに6~9月の日中に発生します。
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シロアリや羽アリが大量発生した建物の危険性
シロアリの被害と建物への深刻な影響
シロアリは、建物の重要な構造部分である床下の木材を侵食し、建物全体の耐久性を著しく低下させます。特に地震時には、その影響が顕著に現れ、倒壊リスクが大幅に高まります。
実際、1995年の阪神大震災や2016年の熊本地震でも、シロアリ被害が原因で多くの建物が倒壊しました。
シロアリ被害の進行と見えないリスク
シロアリは木材内部を食害するため、外からは見えない場所で被害が進行します。
玄関の框や巾木など、地面に近い場所は特に被害を受けやすく、構造的な問題を引き起こすだけでなく、
見栄えにも悪影響を与えます。これらの被害を修繕するには、高額な費用がかかることもあります。
羽アリが発生した場合の危険性
羽アリが発生したということは、すでにシロアリが建物内部で活動している可能性が非常に高いことを意味します。
羽アリが飛び出してきた際に「また出てきたな」と放置するのではなく、シロアリ被害が進行していると考え、早急に専門業者に相談することが必要です。
早急な対応が必要な理由
シロアリの被害は時間と共に拡大し、放置するほど建物の耐久性や価値が低下します。
羽アリやシロアリが確認された際には、すぐに対策を講じることが、建物を守るための最善の方法です。
早期発見と迅速な対応が、被害を最小限に抑え、建物の安全性を確保するための鍵となります。
家の中に羽アリが大量発生した際の対処法
羽アリが大量発生すると殺虫スプレーを吹きかけたくなりますが、対処法としてはおすすめできません。
殺虫スプレーには虫が嫌がる忌避成分が含まれており、生き残った羽アリが家の奥深くに逃げてしまう恐れがあります。そうすることで別の場所に被害が及ぶ可能性があります。
自分で駆除する際は次の方法を試してみてください。
- 掃除機で吸いこむ
- 粘着テープで貼り付ける
対処法1:掃除機で吸い込む
羽アリは、掃除機で吸い込むのが1番効率の良い対処法です。
シロアリの羽アリは体のつくりが弱いため、掃除機で吸った時の勢いで圧死してしまいます。
吸い込んだ紙パックはそのままゴミ箱に捨てましょう。
基本的に吸った時の勢いで死んでしまいますが、まれに生き残っていることがあります。その場合は1日経てば弱って死んでしまうので、時間を置いてから捨てるようにしてください。
掃除機がサイクロン式の場合は、内部で羽アリの死骸が張り付いてしまい、後処理が大変になるため注意しましょう。
対処法2:粘着テープで貼り付ける
羽アリは、動きが機敏ではないため粘着テープで簡単に貼り付けて退治できます。
掃除機がサイクロン式だったり、夜中で掃除機を使えなかったりする場合は、粘着テープや粘着ローラーなどで対処しましょう。
シロアリの巣を除去するには専門業者に依頼を
羽アリが大量発生した場合、家の近くに巣を作っている可能性があります。その場合、巣を駆除しなければ根本的な解決にはなりません。
ただし、シロアリは人目につかない地中や木材の奥に巣を作るため、見つけるのは専門知識が必要です。
そのため、シロアリを駆除する際は専門業者に相談しましょう。業者の多くは相談や調査を無料でおこなってくれます。
マンションやアパートの場合は管理会社に連絡してみてください。
また、業者に依頼した際の費用相場が気になる方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
シロアリは個体数が増えて巣の中が飽和状態になると、一部が羽アリとななって新天地を探すために巣から飛び立ちます。
もしも室内に羽アリが大量発生した場合は、掃除機で吸ったりテープで貼り付けたりするのが有効な対策です。
ただし、巣を駆除しなければ根本的な解決にはならないため、自身で見える範囲の羽アリを駆除した後は専門業者へ相談することをおすすめします。
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YouTubeでは、羽アリとシロアリについて見分け方や発生の原因、対応方法などを動画で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者
犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー