普段、ほとんど目にすることのない床下に「もしかしたらカビが生えているかもしれない」と不安に思ったことのある人もいるのではないでしょうか。

畳がジメジメする・押入れやクローゼットなど狭い空間が湿気っぽいと感じる場合、床下にカビが生えている可能性があります。

本記事では、なぜ床下にカビが生えてしまうのか、そのまま放置した場合どうなるのかを解説します。

また、対処法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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床下にカビが生えていると現れる症状

住居の床下にカビが生えている場合、どのような症状が現れるのかを解説します。

畳がジメジメする・畳にカビが生える

床下にカビが生えていると、畳や畳の下の床板にもカビが繁殖することがあります。

その際、床下からの湿気で畳がジメジメしたり、床板がブヨブヨしたりするなどの症状が見られます。

現状、畳や床板に症状が見られなくても、打ち込まれている釘やビスが錆びている場合、床下の湿度が高くなっており、カビが生えている可能性があるので注意が必要です。

床がきしむ・沈む

室内を歩くときに、ギシギシと音が鳴ったり床が沈む感じがしたりする場合は、床下の木材が傷んでいる可能性があります。

湿気が多くなるとカビや腐朽菌が床下の木材に付着します。すると亀裂や小さな穴が空いたり、木材の表面を触るとボロボロと粉状になったりと、住居の劣化に繋がるのです。

押入れやクローゼットが湿気っぽい(カビが生えた)

押入れやクローゼットなどの密閉された空間は換気しづらいため、風通しの良い部屋や換気のできる箇所に比べて湿度が高くなりやすいです。

また、押入れやクローゼットが湿気っぽいと床や壁紙にカビが生えてしまい、収納している布団や洋服にカビの被害が広がってしまうケースもあります。

床下換気口からカビのにおいがする

床下換気口の近くで、床下から出てくる空気のにおいを確認してみてください。異臭がする場合は、床下にカビが生えている可能性が高いです。

カビのにおいは濡れた雑巾や墨汁、泥のようなにおいに似ています。

カビが発生する原因とは?

なぜカビが発生するのか、その原因を解説します。

 カビが発生する条件
  • 湿度(60%以上)
  • 適度な温度(20〜35度)
  • 栄養分(汚れや雑菌)
  • 酸素

湿度が60%以上になるとカビが生えやすくなり、80%を超えると活発に繁殖します。カビが好む温度は20〜35度です。

そのため、冬以外の季節はカビが発生する可能性があるものの、4つの条件のうち1つでも予防することができれば、カビの発生を抑えられます。

ただし、床下は室内と違って掃除しにくいため、汚れや雑菌などを防ぐのは容易ではありません。

「温度」や「酸素」は調節しにくいことから、「湿度」を調整する方法が効率的といえるでしょう。

立地や家の状態も原因のひとつ

家まわりの環境や建物の不具合などもカビが発生する原因となるのです

たとえば次のようなケースに該当する場合は、カビが発生しやすくなります。

 カビが発生しやすい環境
  • 周囲の土地より低い(敷地よりも家の土壌面が低い)
  • 床下の空間が狭い
  • もともと田んぼや沼地など湿地帯だった
  • 台風や洪水で雨水が流入したことがある
  • 排水管から水漏れしている
  • 換気口が塞がれている
  • 隣家が近い

周囲の土地や敷地よりも家の土壌面が低い場合は、雨水が流れ込むため床下に湿気がたまりやすいです。

また、排水管が破損して水漏れが生じているいる場合や、床下換気口がプランターや室外機で塞がれている場合も床下の湿度が高くなりやすく、カビが発生する原因になります。

床下のカビを予防する湿気対策

床下にカビを発生させないための湿気対策を紹介します。

換気口の通気を良くする

床下換気口の周辺にプランターやエアコンの室外機を置いている場合は、移動させましょう。

また、植木や雑草なども換気口の前にあると空気の流れを妨げるため、植え替えるかこまめに刈っておきましょう。

床下調湿材をまく

床下調湿材は、湿度が高いときは湿気を吸収し、低いときは湿気を放出して湿度をコントロールしてくれます。

床下に防湿シートを敷き、その上に床下調湿材をまくことで湿気対策を施せます。

自分で行うこともできますが、怪我をしたり、毒を持った虫に刺されたりする可能性もあり、危険をともないます。

床下換気扇を設置する

床下に換気扇を設置して、強制的に通気を良くする方法もあります。知識や経験のある専門業者に依頼しましょう。

カビを放置した場合の悪影響は?

床下に生えているカビを除去せず放置した場合、さまざまな悪影響を及ぼします。

床下の木材が腐敗する

床下のカビを放置したままにしておくと、木材腐朽菌類が発生します。木材腐朽菌類は、「褐色腐朽菌類」「白色腐朽菌類」「軟腐朽菌類」の3つに大別されています。

住居に悪影響を与えるのは、「褐色腐朽菌類」「白色腐朽菌類」の2つです。とくに、木材の外観が褐色になる「褐色腐朽菌類」は、針葉樹材を好み腐朽します。

そのため、住居に使われるスギやヒノキなどの木材に対して重要な害菌となるケースが多くあります。

部屋がカビ臭くなる

カビを放置すると、床下換気口からのにおいだけでなく、室内がカビ臭くなってしまいます。

カビは濡れた雑巾や墨汁、泥のような臭いがするので気分が悪くなったり、体調不良の原因になったりする可能性があります。

シロアリが発生する

シロアリもカビと同じく、適度な温度と湿度が高い場所を好みます。そのためカビが繁殖しやすい状態で放置していると、シロアリが発生する可能性もあるのです。

シロアリは普段、人の目に触れない場所で行動しているため、知らぬ間に建物内部の木材を食い荒らされてしまうこともあります。

実際にシロアリ被害が発生してしまった場合の駆除費用などはこちらの記事で詳しく解説しています。

健康被害を引き起こすおそれがある

カビを吸い込むと、アレルギー疾患や肺炎、中毒などさまざまな健康被害を引き起こすおそれがあります。

また、目がチカチカする・頭痛がする・吐き気を催すなどの症状を引き起こす「シックハウス症候群」の原因にもなります。

まとめ

歩くと床がきしんだり、床下換気口から異臭がしたりする場合、床下にカビが生えている可能性があります。

カビを放置しているとシロアリの発生や室内の嫌なにおいの原因となり、住居や身体に悪影響を及ぼします。

畳やクローゼットなど室内に生えてしまったカビは目視でき、自分で除去することが可能です。カビを除去するには、消毒用エタノールやクエン酸スプレーを吹きかけて、乾拭きをします。

カビが飛び散ってしまう危険があるので、掃除機は使用しないようにしましょう。

しかし、床下にカビが生えているかどうかを自分で確認するのは難しいため、専門業者に床下点検を依頼するのがおすすめです。