住宅の周囲や床下などで卵やシロアリを発見した場合、これがシロアリの卵なのか疑問に思うかもしれません。そこで、シロアリの卵がどのような特徴を持つのか、またシロアリを見つけた際の適切な対処方法について具体的に解析します。
時期は関係ない、シロアリは毎日卵を産む
シロアリは年間を通じて毎日卵を産む昆虫であり、女王シロアリは一日に数十個もの卵を産むことが一般的です。このペースで繁殖が進むと、1年間で数千匹にも増えてしまう可能性があります。
シロアリ社会は女王と王が中心となる縦社会を形成し、女王は単体で繁殖する能力も持っています。これは、駆除作業で女王を逃がしてしまうと、新たな場所で再び繁殖を始めてしまう可能性があることを意味します。
シロアリは特定の繁殖期がなく、卵が孵化するまでには1~3ヶ月の時間がかかります。しかし、女王が毎日卵を産むため、常に新しいシロアリが生まれてきます。シロアリの駆除に取り掛かる際は、この繁殖力の高さを意識した対策が必要となります。
シロアリは食害している場所を巣にすることが多い
シロアリは通常、湿気が多い場所や木材、土などに巣を作ります。特に床下や水回りなどの湿った場所が好まれる傾向があります。シロアリが営巣する場所は、住宅の木材構造や段ボールなど、手軽に利用できる資源の近くに多く見られます。
主な巣(本巣)は、見つけにくい位置に作られるため、一見して認識するのは難しいです。巣の入り口は小さな穴かもしれませんが、掘り進めると巨大な本巣があることもあります。
分巣は外部に位置していることが多く、シロアリが往来するトンネル状の「蟻道」やシロアリの出入りが目撃されることが比較的多いです。また、イエシロアリは時折、球状の巣を作ることがあります。
シロアリの卵の特徴と発生場所
家の基礎や床下で卵のようなものを見つけた際には、シロアリの卵かもしれません。ここでは、シロアリの卵の特徴とよく見られる発生場所について説明します。
卵は白色で小さな楕円形をしている
シロアリの卵は白色で、小さな楕円形をした微粒子が特徴です。種類によって卵の形や大きさは異なる可能性がありますが、多くの場合、サイズは1mm以下となっています。例えば、日本に多く生息するヤマトシロアリの卵は、大きさがおおよそ0.4~0.6mmの範囲に収まります。
卵は単発で見られることは稀で、毎日産み落とされる多数の卵が労働者アリによって移動させられ、「卵塊」と称されるまとまりを作り上げます。
巣の奥に卵専用部屋にあるから室内では目にしない
卵は女王が産むとすぐに労働者アリによって特定の部屋へ運ばれ、厳重に守られます。これにより、巣内部における卵の視認はほぼ不可能です。だから、もし家の近くや床下で卵らしきものを見つけたら、それはシロアリの卵ではなく他の昆虫のものである可能性が高いです。
シロアリの卵単体で成長できない
シロアリの卵は働きアリが世話することで維持されます。
たとえば、魚の卵は親が産みつけた後に放置しても時間が経過すると勝手に孵化しますが、シロアリの場合は放置されたままでは成長できません。約30~90日かけて孵化する間、働きアリたちが卵をずっと世話をし続ける必要があります。
そのため、周囲にいる女王アリや働きアリたちをまとめて駆除すれば卵はそれ以上成長・孵化できなくなります。したがって、卵そのものは家にとって脅威ではありません。たとえば巣が壊れて卵が落ちていたとしても、周囲のシロアリがすべて駆除されていれば卵の成長は途絶えるでしょう。
卵ごとシロアリを駆除する方法
シロアリの巣があるのであれば必ずそこに女王アリがおり、毎日卵をひそかに産み続けているはずです。シロアリの繁殖を阻止するためには、巣やシロアリを根こそぎ駆除する必要があります。そこで、一般的に採用されている2種類の駆除方法について解説します。
薬剤散布(バリア工法)
この方法は、シロアリを駆除するための特殊な薬剤を使用します。
日本では主にヤマトシロアリとイエシロアリが問題となりますが、これらのシロアリは通常、床下や建物の基礎に巣を作ります。バリア工法と呼ばれるこの方法は、建物の周囲や床下に薬剤を散布し、シロアリが侵入できない防護壁を形成します。直接薬剤を散布することで、迅速な効果を得られるのがこの方法の利点です。
しかし、一般的なホームセンターで販売されている薬剤は、木材の裏面やアクセスが難しい場所への散布が困難であり、そのためこれらのエリアには効果が期待できません。
毒餌(ベイト工法)
シロアリの好む毒餌(ベイト剤)を置く方法です。
この方法は、シロアリが好んで食べる毒餌を特定の場所に配置します。シロアリがこの毒餌を巣に持ち帰り、それを他のシロアリが食べることで、毒が巣内に拡散していきます。更に、毒餌を摂取したシロアリが死亡すると、その死骸を食べた他のシロアリも毒を摂取し、この連鎖により巣全体が滅ぼされるという仕組みです。これにより、たとえ毒餌を設置した場所に少数のシロアリしかいなかった場合でも、巣全体の駆除が可能となるのが大きな利点です。
働きアリも毒餌を摂取して死ぬため、新たな卵の孵化を防ぐことができます。
安八郡のシロアリ駆除業者おすすめ4選
もしシロアリが発生してしまったら、どのシロアリ駆除業者に頼めばいいか分からない方もいると思います。ここでは安八郡でおすすめシロアリ駆除業者をご紹介します。
駆除業者の選び方については、下記の記事でも詳しく紹介しております。
シロアリ駆除は自分でできる?プロの駆除費用の相場は?料金が安すぎるとリスクが高まる理由 | シロアリの雨宮のコラム
雨宮
雨宮は創業50年以上で、施工実績が68万件以上のシロアリ駆除業者です。日本しろあり対策協会認定のしろあり防除施工士や、各種国家資格の取得者が多数在籍しています。害虫や委託業者は使用せず、専門性の高い自社社員で対応しているのが大きな特徴です。施工後に5年間の保証がつくのはもちろん、2回の無料点検を実施してくれるので、再発にも安心して備えられます。
サニックス
株式会社サニックスは、東京証券取引所に上場しているため、安定した経営基盤を持っています。83万件を超える施工実績を誇り、お客様の大切な住宅をシロアリの被害から守り続けています。さらに、最大1,000万円までの保証が5年間付帯しているため、万全のサポート体制を整えています。強引な販売手法を採用していないため、電話やメールで気軽に相談が可能です。
大心産業
大心産業は、岐阜市を中心に害虫・害獣の駆除や住宅のリフォームを行い、地域との連携を大切にしています。5年の保証期間内には、2回の無料点検サービスを提供し、お客様の安心と満足を第一に考えています。また、JA全農岐阜との連携があり、信頼できる証でしょう。
ダスキン
ダスキンは創業60年以上の清掃サービス業者です。クリーニング事業をはじめ、シロアリをはじめとする害虫や害獣の駆除も依頼できます。全国各地に支店があり、幅広いネットワークを生かして、素早く現場に駆けつけてくれます。ダスキンの特徴は社内ライセンス制度を実施していることです。3年ごとに更新が必要なライセンスであり、シロアリに関する最新の知識を備えたスタッフが駆除してくれます。
シロアリの卵まとめ
シロアリは一度巣を作ってしまうと、どんどん繁殖して増えていくため、見つけたら即座に駆除することが大切ですが、自分で対処してしまうとかえって悪化する恐れがあるので自分で対処せずにシロアリ業者に頼みましょう。
この記事の監修者
犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー