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シロアリは床下や木材の中などに巣を作るため、被害に気付いた時点で、すでに木材が食い荒らされている場合もあります。
そのため、シロアリを寄せ付けないための「予防対策」が大切です。
この記事では、シロアリの予防対策が必要な家の状態と、いつ頃どのような方法でシロアリ対策をおこなえばよいのか、詳しく解説します。
シロアリの予防対策はなぜ必要?
シロアリは木材を好んで食べます。木造・RC造・鉄骨造のいずれも建物も木材が使用されているため、すべての家で発生する可能性があるのです。
シロアリの食害スピードは速く、場合によっては1年程度で家の重要な構造材の耐力を損なうことがあります。
木材を食べられると、柱や床、土台といった主要部分が空洞化して耐震性に問題が出るだけでなく、家の資産価値を下げてしまう原因にもなるでしょう。
また、床下から侵入したシロアリが天井まで達すると、屋根裏や天井の木材を食い荒らし、雨漏りの原因となったり、屋根の強度にも影響を及ぼしたりします。
修繕には費用や時間がかかるため、被害が出る前に予防対策を施しましょう。
シロアリの予防が必要な家とは
実際に、どのような家でシロアリの予防が必要なのかについて解説します。
木造やRC造、鉄筋コンクリート造の家
被害が一番拡大しやすいのは、構造上主要な部分が木材でできている木造住宅です。しかし、シロアリによって被害を受けるのは木造の家だけではありません。
シロアリは軽量鉄骨や鉄筋コンクリート造の家であっても、コンクリートの隙間やひび割れ部分から侵入し、内部にある木製の部材や断熱材を餌として食べます。
加えて、コンクリート造の家の床下は気密性や保温性が高いため、シロアリが生活するのに適した環境です。
また、RC造のマンションも例外ではありません。マンションは戸建てと違って床下がない構造で、コンクリートスラブや土間の上に直接下地材や床材となる木製の板が敷かれています。
シロアリがコンクリートの亀裂から侵入した場合、すぐに餌となる床材や下地材に辿り着くうえに気密性が高い環境であるため、仲間を呼び寄せて被害を拡大させる可能性があります。
新築から5年経過した家
新築の家に施工される、シロアリ予防のための薬剤の有効期限は5年ほどです。
国土交通省補助事業の「シロアリ被害実態調査報告書」によると、築年数0~4年の木造住宅では蟻害発生率が1.9%であるのに対し、築年数5~9年では4.0%、10~14年では11.0%、15~19年では29.3%と指数関数的に増加しています。
薬剤効果は時間の経過とともに少しづつ減少し、5年を経過すると、シロアリの侵入を防ぐことができなくってくるため、5年程度を目安に対策をおこなうとよいでしょう。
自分でできるシロアリの予防方法
本格的なシロアリ対策を自分でおこなうのは難しいですが、シロアリをなるべく寄せ付けない環境を作ることはできます。
- 餌になる木材などを家の周りに置かない
- 家の基礎まわりの風通し・日当たりを良くする
- 雨漏りした所はなるべく早く修理する
- シロアリの防除剤や木材防腐剤を散布する
餌になる木材などを家の周りに置かない
シロアリは木材やダンボール、畳などの木質材料が好物です。餌となるものが豊富にある場所を見つけると、仲間に知らせて大群でやってきます。
そのため、湿った古い木の杭や枕木、使わない木材やダンボールなど、餌となるものが家の周りにある場合は撤去しましょう。
家の基礎まわりの風通し・日当たりを良くする
シロアリは、暗くて風通しの悪いジメジメした場所を好みます。
基礎まわりの風通しや日当たりが悪くなると湿気がたまりやすく、シロアリが生息しやすい環境になります。
換気口や通気口の前に植木や物置などが置いてある場合は撤去しましょう。
雨漏りした所はなるべく早く修理する
雨漏りした所を放っておくと木材が腐り、シロアリにとって最適な環境となります。そのため、なるべく早く修理することが大切です。
- 天井にシミができる
- 部屋がカビ臭い
- 水がたれてくる など
雨漏りが起きているときに見られる症状は次の通りです。
症状がある場合は室内と同時に屋根や外壁のチェックをおこない、雨漏り箇所を特定して修理する必要があります。
新築10年以内の戸建てなら一般的には瑕疵担保(かしたんぽ)保険の期間内なので、売主や販売会社で修理してくれる可能性があります。
まずは売主(販売会社や工務店)へ連絡し、瑕疵担保保険での修理が可能か確認しましょう。
もしも、瑕疵担保保険の対象外であったり保証期間を過ぎていたりする場合は、家を建てたハウスメーカーや工務店、リフォーム会社や屋根・塗装業者、雨漏り修理業者などで対応してもらえます。
瑕疵担保保険とは
瑕疵担保保険とは、売主が買主に対して瑕疵(基本的な品質が欠けているような欠陥)がある場合に責任を負うもので、新築住宅は法律により責任期間を10年と定められています。
法律で定められた保証範囲は、「住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分」に限定されており、この定めの範囲内の雨漏りは瑕疵担保保険で修理してもらえる可能性が高いでしょう。
シロアリの防除剤や木材防腐剤を散布する
自分で市販の防除剤や木材防腐剤をまいて予防することもできます。
ただし、市販のものは効果が約3ヶ月や半年程度と短いものが多いため、こまめに散布をしなければ効果を維持できません。
シロアリの予防対策で重要なことは、将来発生しそうな場所をすべて見極めて、適切な薬剤を適切な方法で散布することです。
知識や装備がないまま床下に潜ってやみくもに薬剤を散布しても、シロアリを他の場所に逃げ込ませてしまうことになります。
また、埃や床下のカビを吸い込んでしまい、人体に悪影響を及ぼす恐れもあります。
自分でできるシロアリ予防については、以下の記事も参考になります(外部サイトへ移動します)。
長期的な予防対策は専門業者に依頼したほうが良い
シロアリが好む環境を作らず、餌になるものを置かないよう工夫するなど、自分でもできる予防対策はあります。
しかし、本格的な対策をおこなうために床下に潜ろうとすると、ヘッドライトや防塵マスク、ゴーグル、耐薬性ゴム手袋などの装備や専用薬剤、噴霧器などの機材が必要です。
シロアリ対策の経験とノウハウを持つ専門業者に依頼すれば、自分では難しい床下の奥も、予防対策が可能です。
雨宮では、事前調査から駆除、アフターサービスまですべてを自社社員で実施し、建物の美観や強度も考慮した丁寧な作業を心がけています。
専門業者に依頼する際にかかる費用相場
シロアリ予防の施工費用相場は、1㎡あたり1,320円(税込)~2,475円(税込)程度です。
例えば、戸建て(建売)住宅面積の全国平均である101.1㎡(約30坪)の場合、約133,452円~250,222円となります。一般的な戸建てなら約15万円~30万円程度が相場です。
ほとんどの専門業者で、ホームページから無料見積もりや問い合わせができるため、どのくらい費用がかかるかを調べられます。
費用相場については、以下の記事も参考になります(外部サイトに遷移します)。
依頼するタイミング
シロアリは年間を通じて活動しています。そのため、薬剤の有効期間が切れている場合は、時期を問わず早めに対策をすることが大切です。
薬剤の有効期間は5年程度であるため、そろそろ築5年が経過する家や、過去に予防対策が実施されているかわからない場合は、依頼する目安となります。
また、羽アリ(シロアリ)が特に活発になるのは4月~7月頃なので、そのタイミングに合わせるのもよいでしょう。
ただし、繁忙期でもあるので、希望した日時に予約がとれない可能性もあります。
そのため、余裕を持って繁忙期の少し前や、繁忙期以外の時期に依頼するのもおすすめです。
まとめ
シロアリは、木造の家だけでなく、RC構造や鉄筋コンクリート造の家でも発生する可能性があります。
一度シロアリが住み着いてしまうと、繁殖して大群となり、家の重要な構造材を食い荒らしてしまうため、シロアリを寄せ付けないための予防対策が重要です。
シロアリが好む環境を作らない、餌となるものを置かないといった、簡単にできることから試してみてください。
また専門業者に依頼することで、しっかりと床下の調査をおこなったうえで、家の状態に合った薬剤を使用して対策をしてくれます。
この記事の監修者
犬飼 章博
- 2015年 最年少で豊橋支店長就任
- 2021年 本社支店長就任
- 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。
- 資格
- しろあり防除士
- 一級建物アドバイザー