家の中や周辺で赤っぽく羽アリやこげ茶っぽい羽アリを見かけた場合、もしかしてシロアリなのではないか、シロアリでなくても危険な虫なのではないかと不安になる方も少なくありません。
そこで、赤い羽アリの正体として考えられる昆虫や、体の一部が赤い昆虫などについて代表的な例を紹介します。羽アリが発生する仕組みや対処・駆除方法についても紹介しているので、詳しく見ていきましょう。
もし赤い羽アリを見かけたとすれば、その正体はおもに3パターンがあります。それぞれのケースを見てみましょう。また、実際にはこげ茶色に見える人も多いです。
よくあるのは、クロアリの仲間を見かけたケースです。クロアリは非常に種類が多く、「クロ」アリという名前ですが赤や黄など黒以外の色をしたものもいます。そのため、クロアリのうち赤に近い色をした種類の羽アリである可能性が高いでしょう。
クロアリであれば、シロアリと異なり住宅そのものへの被害はありません。しかし、場合によっては家電や車の中に営巣して故障させたり、人を噛んだりするリスクもあるため気になるのであれば駆除が必要です。
クロアリとシロアリを見分けるポイントとして時期があります。8~11月に羽アリを見かけた場合は、ほぼクロアリと思ってよいでしょう。
ヤマトシロアリの羽アリが群飛するのは4~5月、イエシロアリの場合は6~7月がピークです。そのため、8月以降に見かけたらほぼシロアリの心配はありません。
なお、クロアリの多くは昼間より夜間に飛ぶ傾向があります。イエシロアリも夜間に飛ぶので混同しないように注意が必要ですが、羽アリを見かけた時期と時間帯を併せて考えることで見分けがつきやすくなるでしょう。
アメリカカンザイシロアリの羽アリは全体的に黒褐色ですが、頭部は赤褐色をしているのが特徴です。そのため、赤い羽アリを見た場合アメリカカンザイシロアリの可能性も考えられるでしょう。
しかし、アメリカカンザイシロアリはヤマトシロアリやイエシロアリに比べると日本での生息エリアや被害例が非常に少ないです。国内でも関東や関西を中心に24都府県の一部でしか生息を確認できていません。そのため、もし赤い羽アリを見た場合は、アメリカカンザイシロアリよりも他の昆虫やシロアリである可能性の方が高いです。特にヤマトシロアリはアメリカカンザイシロアリと見間違えられることもあります。
アメリカカンザイシロアリやヤマトシロアリも他のシロアリ同様住宅を食害するため、万一見かけたら点検や駆除を行います。
もし身体の一部だけではなく全身が赤い羽アリを見かけた場合は、シロアリでない可能性が高いので安心してよいでしょう。
日本にいる代表的なシロアリはヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリの3種類ですが、いずれも羽アリは黒~薄茶色です。目立った赤い色をしている種類はありません。また、羽のない通常のシロアリは名前通り乳白色~薄茶色をしています。シロアリは基本的に人を噛まないので、できれば近づいてじっくり色や大きさを観察してみると区別がつきやすいでしょう。
羽アリによく似た、別の昆虫である可能性もあるでしょう。特に、シロアリの羽アリは赤色というよりもこげ茶色をしているので、はっきりと赤い色をしていたのであれば別の昆虫であると考えられます。住宅に被害を及ぼすのは基本的にシロアリだけなので、ほかの昆虫であれば被害に遭う心配はほぼいらないでしょう。
しかし、昆虫によっては人を噛んだり住宅に巣を作って集団で押し寄せたりする可能性もあります。もし、家の周囲で大量発生していたり、屋内で見かけたりした場合は種類に応じた対策が必要です。雨宮でもシロアリに限らず害虫駆除を請け負っているので、不安な場合はお気軽にご相談ください。
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続いて、赤色もしくは赤く見えることがある羽アリや昆虫について、いくつか代表的なものを紹介します。
アミメアリは体長2.5mm~3mm程度の、褐色~赤褐色をしたアリの一種です。腹部は黒褐色をしており光沢があります。アミメアリは他のアリと異なり女王アリがいません。働きアリだけ、単体だけでも生殖ができるのがアミメアリの特徴です。
アミメアリは定住する巣を作らず、移動しながら暮らしています。そのため民家にたまたま巣を作って大量発生したり、屋内を移動したりしてシロアリと間違われることもある昆虫です。ヒアリと間違われることもありますが、毒はありません。
アズマオオズアリは体長2.5~3.5mmほどの赤褐色~黄褐色をしたアリです。女王アリは7mmほどになるため、シロアリと同等~やや小さめの大きさになります。北海道から九州まで全国に生息するため、どこでも見かける可能性があるアリです。「オオズ」の名前通り巨大な頭部が特徴なので、すぐに見分けがつくでしょう。
赤い色をしていますが毒はありません。ただし人を噛むことが多いので、見つけても触らないようにしましょう。
毎年7~8月に羽アリとなって飛行します。夕方~夜間に飛び、イエシロアリと飛行時期や時間帯が若干被るため外見をよく観察して体長や頭の大きさで見分けましょう。
キイロシリアゲアリは名前の通り、黄色をしているのが特徴のアリです。ただし腹部は上から見るとやや色が濃いため、赤っぽく見えることもあります。
腹部は縞模様が入っているように見えるのも特徴のひとつです。ほかの羽アリに比べると腹部が膨らんでいる特徴的な外見をしているため、比較的見分けやすいアリといえます。
女王アリは約7mmです。9~10月になると繁殖期を迎え羽アリが結婚飛行をします。時期がシロアリとは異なるため、シロアリとの区別はしやすいです。
サクラアリは体長1~1.5mmの非常に小さなアリです。赤~茶色に近い独特の色をしています。ほかのアリやシロアリと比べても明らかに小さいため、見分けるのは簡単です。
体が小さいこともあり人目につかない場所にひっそりと巣を作りますが、羽アリが飛ぶ9~11月には大量発生するのを見かけることがあります。
ヒアリはアリの中でも猛毒を持つことで知られ、国内でも問題になっている外来種です。
日本には最近まで生息していませんでしたが、2017年、兵庫県尼崎市を発端に国内への侵入が確認され、その後続々と国内で発見報告があります。まだ定着はしていないものの、注視が必要な種類です。
体長は2.5〜6mmほどですが、女王アリはやや大きく8mmほどあります。赤色~茶色をしており、つやがあるのが特徴です。また、強力な毒針を持っており刺されると激しい痛みを生じさせます。ヒアリと思われるアリを見かけたら決して触ってはいけません。
シロアリやクロアリには羽が生えているものとそうでないものがいますが、もともとは同じ種類です。
毎年春~秋になると、将来的に王や女王となる一部の個体に羽が生え、巣から一定数が飛び立ちます。羽アリは新天地を求めて飛行し、また空中で交尾して新たな場所で営巣し繁殖していくのが特徴です。付近にある複数のコロニーから一斉に飛び立ち、それぞれのコロニーにいた羽アリたちが新たなつがいになります。
そのため、羽アリが発生するのは繁殖期の一時的なものです。交尾が終われば羽は落ち、再び地面を歩いたり巣にこもったりするようになります。
なお、羽アリの種類や予防・駆除方法については以下の記事も参考にしてください。
仮にシロアリでなく危険性が低かったとしても、屋内に羽アリが侵入するのは気持ちのよいことではありません。もし羽アリが侵入した場合どのように対処したらよいのか、適切な方法を解説します。
手軽な駆除方法としては、掃除機で吸ったり、粘着テープにくっつけたりする方法があります。特に羽アリは弱いため、掃除機で吸うだけで死んでしまいます。
ただし、羽アリではない別の昆虫だった場合はその限りではなく生き残る可能性があり、また虫が苦手な方は紙パックから虫が出てくるのではないかと不安にかられることもあるでしょう。そのようなときは粘着テープで直接退治した方が確実といえます。
なお、昆虫を駆除するにあたって殺虫剤を使用するケースも多いですが、シロアリの可能性が残っている場合は、殺虫剤の使用は避けるのが無難です。
もしシロアリだった場合、殺虫剤をまくと一部が逃げ出し、家の奥へ移動してしまうことがあります。巣ごと移動することで発見が困難になるため、できるだけ掃除機での駆除をおすすめします。
なお、退治できるのは目の前にいる昆虫のみなので、巣ごと根絶したいのであれば業者に依頼する必要があります。
もし羽アリが大量発生して困っている場合は、あえて退治するのではなく外へ誘導して逃がす方法もあります。一部の羽アリにある「走光性」という光に群がる性質を利用します。よく、街灯に虫が群がっている姿を想像するとわかりやすいでしょう。夜間の駆除には特に有効です。
羽アリを外へ誘導するには、まず家中の明かりを消して、カーテンを引き暗くします。一切光が入らないようにしてから、玄関や窓を開けましょう。玄関ライトや懐中電灯を使って、外へ誘導します。
羽アリを退治した後の処理として、洗剤やハッカ油を含ませた雑巾で羽アリのいた場所をくまなく拭き取りましょう。
アリは通るときに、自身や仲間に通り道を伝えるためフェロモンを出します。駆除と併せてフェロモンを消しておかないと、駆除後も別の仲間がフェロモンを辿りやってくることがあるでしょう。
フェロモンを消すには、洗剤を含ませた雑巾で拭くだけで問題ありません。羽アリやその他の昆虫は防虫効果の高いとされている、薄めたハッカ油を雑巾に含ませるのもおすすめです。
シロアリの羽アリを1匹でも見かけた場合や、その他の昆虫を本格的に根絶したい場合はシロアリ駆除業者に依頼するのが確実です。シロアリ業者はシロアリだけでなく、クロアリやその他の害虫駆除にも対応しています。
もし依頼前に退治した個体がいるのであれば、死骸をサンプルとして保管しておくとよいでしょう。スマホで死骸の写真を撮影したものでも構いません。とくにかく「この虫がいた」とわかるように残しておけば、虫の種類を判別しやすくなるのでスムーズです。
シロアリの予防や駆除は有料ですが、点検であれば無料でしてもらえます。赤い羽アリがシロアリなのではないかと不安な場合や、家の中に巣を作っていないか気になる場合は無料点検を依頼しましょう。雨宮でもシロアリの無料点検や、予防・駆除、その他の害虫駆除まで一貫して対応しています。創業50年以上の実績があるため、安心してご相談ください。
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下記の記事で業者による駆除の費用などについても解説しています。
赤い羽アリを見た場合、クロアリの仲間か、もしくは他の昆虫を見間違えている可能性が高いです。クロアリの仲間であればアミメアリやサクラアリなど、赤い色をした羽アリも多くいますが、ヒアリのような一部の例を除いて危険性はありません。
また、シロアリの場合は全身赤い羽アリになることはなく、基本的に茶色に近い色をしています。もし、遠目に見ただけで正確な色が判断できなかった場合は、シロアリの可能性も捨てず慎重に駆除した方がよいでしょう。駆除する際は掃除機や粘着テープを使用するのが安全な方法です。
シロアリであったときのリスクを考えると殺虫剤の使用は避けた方がよいでしょう。シロアリかもしれないと不安な場合は、シロアリ・クロアリの駆除やその他の害虫駆除も可能なシロアリ業者に無料点検を依頼してください。
住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。
疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。