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シロアリといえば、床下で大量発生するイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、シロアリは屋根裏にも発生することがあります。

本記事では、シロアリが屋根裏に発生する原因と発生している場合に家の中で見られる症状、屋根裏にシロアリがいるかどうかチェックする方法を詳しく解説します。

また、屋根裏付近でシロアリを見つけてしまった場合に自分でできる対処法や、専門業者がおこなう駆除方法も紹介するので、屋根裏のシロアリが気になる人はぜひ参考にしてください。

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屋根裏にシロアリが発生する原因

シロアリは光が苦手なので、基本的に土の中に巣を作ります。そのため家の中では床下で発見されることが多いですが、屋根裏にも大量発生することがあります。

屋根裏にシロアリが発生する原因は大きく分けて2つです。それぞれ詳しく解説します。

雨漏りで屋根裏に水濡れがある

シロアリは、湿度のある場所を好みます。そのため、雨漏りによって屋根裏に湿った木材がある場合や水たまりができている場合など、常に濡れている場所があるとシロアリが発生する原因となります。

屋根裏は、本来であれば床下に比べて湿気が少なく、乾燥した場所です。しかし、雨漏りで屋根裏に雨水が入って来ている場合や、雨漏りによって屋根裏の木材が水分を含んで腐っている場合は、シロアリの好む湿度の高い場所となり、生息しやすい環境となってしまいます。

また、シロアリのエサとなるのは木材です。特に日本の家屋で発見されることの多いイエシロアリやヤマトシロアリは、水分を含んで腐った柔らかい木材を好んで食べます。そのため、雨漏りで屋根裏の木材が湿っていると、シロアリの好物も揃った環境となってしまいます。

雨漏りによって、屋根や屋根裏の建材がすでに傷んでいるところへシロアリの食害が加わってしまうと、屋根の耐久性が著しく低下する恐れがあり注意が必要です。

柱や家の木材を伝って屋根裏へ侵入される

もう1つの原因は、土の中や床下で発生したシロアリが、エサとなる木材を求めて家の中の柱などを伝って移動し、屋根裏まで達しているケースです。

床下で発生したシロアリが屋根裏まで達している場合、屋根裏だけでなく柱や壁の中、床下など、家の中のさまざまな場所で被害が進んでいる可能性も考えられます。

そのため、雨漏りがないのに屋根裏でシロアリを発見した場合や屋根裏に被害が出ている症状がある場合は、専門業者へ相談し、家の被害調査を依頼するとよいでしょう。

アメリカカンザイシロアリは乾いた場所でも発生する

日本で家屋への被害を及ぼすシロアリは、おもに以下の3種類です。

家屋へ被害をもたらすシロアリの種類
  • ヤマトシロアリ

  • イエシロアリ

  • アメリカカンザイシロアリ

ヤマトシロアリとイエシロアリは湿った木材や湿度の高い場所を好む一方で、外来種であるアメリカカンザイシロアリは乾いた木材をエサとします。「カンザイ(乾材)」という名の通り、乾いた木材を食害するため、乾燥した場所でも生息します。

屋根裏は本来、雨漏りなどがなければ湿気の少ない乾いた場所です。しかし、アメリカカンザイシロアリは乾いた屋根裏でも発生し、分巣を作ります。アメリカカンザイシロアリは本巣のほかに分巣を作り、家のあちこちに生息するのが特徴です。

アメリカカンザイシロアリが発生した場合、ヤマトシロアリやイエシロアリよりも駆除が難しいため、専門業者へ相談するとよいでしょう。アメリカカンザイシロアリは少ない個体数で生息し、蟻道も作らず木材の中に巣を作ります。そのため発見しづらく、自分で完全に駆除するのは困難です。

屋根裏で粒状のフンを見かけたら専門業者へ

アメリカカンザイシロアリは発見や駆除が難しい一方で、巣のある木材の外に粒状のフンを排出するという特徴があります。巣である木材の表面に虫孔(糞孔)と呼ばれる3mm程度の穴をあけ、そこからフンを排出します。

屋根裏で木材の周りに1mm程度の粒状のフンが落ちている場所を見つけた場合は、アメリカカンザイシロアリが発生している可能性があるでしょう。

アメリカカンザイシロアリは、木材を食害するスピードが比較的遅く、被害にも気付きにくい種類です。

気付いたときには家中のあちこちに分巣ができていたというケースもあるため、被害の症状が出ていなくても、粒状のフンらしきものを見つけた場合は専門業者に調査してもらうとよいでしょう。

屋根裏にシロアリがいるかチェックする方法

実際に屋根裏がシロアリの被害にあっている場合、どのような症状が現れるのでしょうか。屋根裏にシロアリがいるかどうかを確認する方法を紹介します。

屋根裏近くの壁や柱を叩いて空洞音がしないか

屋根裏に近い場所にある、壁や柱を叩いてみましょう。叩くと空洞音がする場合は、シロアリが中の木材を食害しているかもしれません。

シロアリに食害されていない柱や壁の場合、「コンコン」といった中身が詰まったような音がします。しかし、「ポコポコ」といった中に空洞があるような音がする場合は、柱や壁の内部が食害されて空洞になっている可能性があると考えらるでしょう。

天井の建材が変色していないか

部屋の天井に変色しているところがないか、確認してみましょう。裏側が屋根裏にあたる場所の建材に変色が見られる場合、変色している部分の裏でシロアリの被害が発生している可能性があります。

早めに天井裏を確認する必要がありますが、自分で確認するのは難しいでしょう。

天井裏は暗く狭い場所であり、マスクやゴーグルなどの防護具も準備しなくてはならないため、専門業者に調査を依頼するとよいでしょう。

シロアリではなく、害虫や害獣が発生している可能性も考えられるため、天井裏の確認はプロである専門業者に任せるのが安心です。

屋根裏に蟻道はないか

ヤマトシロアリとイエシロアリは、「蟻道」と呼ばれる道を作って移動する習性があります。蟻道とは、シロアリが直射日光や風、外敵などから身を守りながら移動するために、土や排泄物などで作ったトンネル状の道です。

屋根裏に泥でできた筋状の道があれば、ヤマトシロアリやイエシロアリが屋根裏に侵入している可能性が高いです。

また、蟻道から続く場所に、泥や粘土状の巣や球体状の巣がある場合、イエシロアリの巣であると考えられます。

蟻道や球体上の巣のようなものを発見した場合は、専門業者へ連絡して確認してもらいましょう。放っておくと大切な家の構造材である木材が食害されてもろくなってしまうため、なるべく早めに駆除してもらうことが大切です。

屋根裏に羽アリや大量の羽はないか

シロアリは繁殖して巣が狭くなると、羽アリを飛ばして別の場所へ移動し、新しい場所で巣を作る習性があります。新しい場所に降り立った羽アリは、着地したときに自ら羽を切り落とします。

この羽が大量に落ちている場所がある場合、シロアリが近くにいる可能性が高いでしょう。シロアリの羽アリの体長は7~9ミリ程度で見つけにくいですが、羽アリを見かけた場合も同様です。

4~7月ごろの巣立ちの時期になると、羽アリは巣から一斉に飛び立ちます。もしも自宅から羽アリが大量に飛び立つのを見かけたら、巣ができている可能性が高いでしょう。

屋根裏に通じる場所や天井付近の建材の隙間から羽アリが大量に出てきた場合も、屋根裏にシロアリの巣があると考えられます。

発見した場合は専門業者に羽アリがいたことを伝え、自宅に巣ができていないか早めに調査してもらうとよいでしょう。

屋根裏のシロアリを駆除する方法

屋根裏でシロアリを見つけた場合、とっさにどう対処すればよいか困ってしまうこともあるかもしれません。そんなときも自分でおこなう応急処置を知っていれば安心です。

見つけたシロアリを応急処置として自分で駆除する方法と、その後に専門業者で根本的な駆除をしてもらう方法を解説します。

自分で駆除するときは掃除機や粘着テープで

屋根裏から出てきたシロアリを見つけてしまった場合は、掃除機で吸引して対処しましょう。シロアリは、掃除機で吸い込めば風圧で死滅します。万が一吸い込んだときに生きていても、そのまま1日放置すれば、シロアリにとって必要な水分がないため、掃除機のダストボックスの中で死滅します。

屋根裏や天井付近で掃除機が使いにくい場合や、見つけたとき掃除機が手元にない場合は、ガムテープなどの粘着テープで駆除しましょう。

ただし、これはあくまでも見つけてしまったシロアリへの対処です。自分ではシロアリの巣ごと完全に駆除することは難しいですが、巣ごと完全に駆除しなければ、家の中の見えない場所で繁殖してしまいます。

シロアリを発見した場合は近くに巣がある可能性があるため、見かけたシロアリを駆除したあとは、専門業者へ連絡し、家の中に巣ができていないか調査してもらいましょう。

専門業者による薬剤散布が効果的

専門業者では即効性のある薬剤を効率的に散布して、住み着いているシロアリを徹底的に駆除します。薬剤にはシロアリの屋根裏への侵入を防ぐ効果もあるため、今後の予防効果も期待できます。

専門業者の薬剤は効果が高い分、成分やニオイが強いのではないかと人体への影響が気になる場合もあるかもしれません。しかし、高い安全性や環境に配慮した天然系の薬剤や、ニオイの少ない超低臭性の薬剤もあります。

シックハウスの原因となる揮発性有機物を含まず、赤ちゃんや高齢者、ペットがいる家でも使える安全性の高い薬剤が選べるため、気になる場合は専門業者に相談してみるとよいでしょう。

専門業者の選び方や予算がわからない方はこちらの記事を参考にしてみてください。

まとめ

シロアリは、床下だけでなく屋根裏にも発生します。そのため、屋根裏も注意して駆除と予防をおこなうことが必要です。

もしも雨漏りがある場合は、早めに修理をしましょう。雨漏りを放っておくと、シロアリの好む湿度の高い環境と、エサとなる濡れて腐った木材が揃ってしまう場所になります。

また、天井に変色を見つけた場合や付近の柱を叩くと空洞音がする場合、建材の隙間から羽アリが出てきた場合などは、専門業者に屋根裏を調査してもらうとよいでしょう。

シロアリは一度発生すると、見えないところで家の構造材である木材を食害し、耐震性を低下させます。自分で屋根裏に入って駆除作業をすることは困難ですが、屋根裏での作業やシロアリの生態を熟知した、経験豊富な専門業者に任せれば安心です。

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この記事の監修者

犬飼 章博

  • 2015年 最年少で豊橋支店長就任
  • 2021年 本社支店長就任
  • 2023年4月より愛知県しろあり対策協会理事

住宅のシロアリ調査から始まり、その他の様々な害虫対策や防水・断熱といったリフォーム工事全般を経験してまいりました。調査実績は延べ数千件以上。
本社の支店長になっても現場が好きで、今も前線で活動しております。

疲れた体を癒すため、趣味は温泉巡りです。

資格
しろあり防除士
一級建物アドバイザー